都市伝説

【円安どこまで?】1円は339円になってもおかしくない理由

2022年、日本円はドルに対して144円まで円安となりました。これは24年ぶりとなる安値で我々が令和に入って体験した事のない円安水準です。では、どうしてこんなに円安になっているのでしょうか?その理由を解説します。

まず、国の通貨同士は市場の需要と供給や国への信用、その国の金利などの複合的な要因で価格が決まっています。世界的によく使われる通貨であるドルは需要が大きく、そしてドルを保有する米国も国家としては大国になるので信頼されており価格は高い傾向にあります。一方で日本円は海外で使われる需要こそ少ないものの経済大国としての日本の信頼と信用を根拠に安全資産として認識されており、人気が高い通貨でした。

しかし、日本の経済力が低下してどんどん国としての赤字が増え、さらには少子高齢化で今後日本の国力は低下するという見方が優勢になってきました。海外からみて日本は将来が危ないかもしれないという認識になりもはや日本円は「安全資産」ではなくなってしまったのです。

さらに米国の金利上昇が拍車をかけます。昨今の物価高に対する対策としてアメリカでは銀行が貸し出すお金の金利が上がっています。これからもさらに物価高を止めるために金利を上げると言われています。しかし、日本では金利はまったく上がっていません。日本政府は企業や高齢者と癒着が大きく彼らから投票をしてもらわないと当選できない議員が多いので必然的に企業や高齢者優遇の政策を取るしかありません。そうすると、金利を上げる事は企業の活動に深刻なダメージを与え、高齢者が保有する企業の株式価格を下げてしまうので金利を上げられないのです。

そうする事でどんどんアメリカドルと日本円との間で金利差が生じます。世界のお金は金利の低い通貨から金利の高い通貨へ動き安い傾向があります。信頼度が同じ程度の通貨でしたら確実に金利の高い方にあずけていた方がお金が増えるのでお得なのです。つまり、今どんどんアメリカドルが買われて円が売られてやすい構造になってしまっているのです。アメリカは更に金利をあげようとしています。この先はおわかりですね?

過去のアメリカドルと日本円の価格チャートを見ると過去の最高値が確認できます。1971年3月。当時の1ドルに対する日本円はなんと339円。つまり今144円で円が安い!大変だ!と言っていますが、さらにその半額以上に円が安くなるリスクがあるという事です。資産を円だけで持っている皆さんは考え方を改めた方が良さそうです。