
死はすべての人に平等に訪れますが、ひとはそれを忘れて生きていることの方が多いでしょう。それゆえか、急に亡くなった人が現れたという怖い話は多くあります。今日は死者にまつわる怖い話を何話かご紹介しましょう。
怖い話 第一話 「ウィスキー」
地方の田舎町のとあるバーでの怖い話です。そのバーにはカラオケがついていて、お客さんは無料で歌えるサービスがあります。
常連さんで40代なかばの恰幅のいい男性がいていつも同じ歌を歌っていました。店長は私に「あのお客さんさ、あの歌で今度のカラオケ大会出るらしいよ」と教えてくれました。
ほぼ毎日のようにそのお客さんはうちのバーに来て同じ歌を練習して帰っていきました。しかし、ある夜のこと。いつもよりも早い時間にそのお客さんが来てウィスキーを頼みました。すごく暗い顔をしていて、私は(もしかして、カラオケ大会でひどい結果だったのかな?)と心配していましたが、一口飲んですぐに帰ってしまいました。
お金も払いませんでしたが、いつも来ているお客さんですし、まあ良いかとそのあと出勤してきた店長に話しました。すると、「え?冗談でしょ?あのお客さん、亡くなったんだよ。急な心不全だったんだってさ。」と言います。
それからお店で不思議なことが起こるようになりました。カラオケ機器に不具合が起きるようになったのです。ある一曲だけ、どうしてもカラオケ機にいれることができないのです。それは、あのお客さんが毎日のように練習していた曲でした。
怖い話 第二話 「還給品」
大阪のアメリカ村にあるミリタリーショップにまつわる怖い話。
そのお店の商品はいわゆる「還給品」と言って、なんらかの理由で兵士たちが軍に返納した軍服などでした。
店長はよく、「還給品には血痕がついていることがあるから丁寧に洗うんやで」と口酸っぱく言っていました。そして、私は店長の指示どおり夜遅くまで軍服などのクリーニングに勤しんでいました。
その日はいつもより多くの「還給品」が仕入れられ2階の倉庫に山積みになっていました。私も残業してクリーニングをしていました。すると、トントントン。階段を降りる音がします。店長かな?そう思って振り返りますが、そこには誰もいません。
気のせいかと思うのですが、またトントントントントントンと階段を降りてくる音がします。振り返るとそこには軍服姿の男が立っていて、私と目が合うとすっと消えていきました。
翌日、店長にこの話をすると、「還給品っちゅうのはな、怪我したり、中には死んでもうた人が着てたものが混じってんねん」と教えてくれました。ならばお祓いすればいいじゃないですか。と私は言いましたが、店長いわく、お祓いしても意味がない。だからせめて血痕がないようキレイにクリーニングして売るんだと言われました。私の人生の中で一番怖い体験でした。
怖い話 第三話 「クリーニング屋」
近所にクリーニング屋さんがあったんですが、突然閉店してしまいました。
母親に聞いたら「あそこの経営者の人、首吊り自殺してたみたい。しかも1ヶ月も前に。」と言います。
経営者の人の家族が経営者の男性を発見したときにはすでに息絶えていたそうです。彼はクリーニング店で服を吊るすフックにロープを掛け首吊りをしていました。客商売ということもあり、男性の死は親戚にも公にされず、ひっそりと葬儀も済まされました。
しばらくの間家族でクリーニング店を切り盛りしていましたが、たくさんの服がかかった中をかき分けていくとコツンと堅いものにあたり、ふと上を見上げると男性が首を吊っている姿で現れたり、均等にかけられているはずの服がぽっかり一箇所だけ空間になっていて、そこが男性の亡くなった場所だったりと不可思議なことが立て続けに発生したので店をたたんでしまったそうです。