
熱帯魚や海水魚を買うのが趣味の人が体験した怖い話です。
僕は魚が好きでペットとして何匹も買っていました。水槽の数もどんどん増え、1Kの狭い部屋に5つくらい大小水槽がありました。
海に遊びに行ったときに2枚貝を見つけました。キレイな模様をしていて、とてつもなく”持って帰りたい”という衝動に駆られました。コンビニのビニール袋を何枚か重ねてその2枚貝を持ち帰りました。
家に持ち帰った貝を水槽に入れました。水槽用の照明は魚やサンゴを美しく見せるために光が工夫されています。その貝は海でみたときより何倍もキレイに見えました。
2枚貝をじっとみていると貝の中から藻のようなものが出ていることに気が付きました。
水槽の中に手を入れて、貝からそれを引っ張り出すとそれは藻ではなく、人の髪の毛でした。
なぜ、髪の毛が?海水浴でもしてる人の髪を間違って吸い込んだのかな?その時はその程度にしか考えていませんでした。
夜、就寝しようと部屋のあかりを消してベッドに入ったときでした。突然、ガガガがガガガと、水槽から大きな音がしました。
魚を飼っているひとはわかると思いますが、水を濾過するフィルターに何かゴミが挟まったり、水が少なくなってからまわりするとときどきそういう音を発することがあるのです。
原因を確認するために部屋の電気を付けた瞬間、僕は凍りついてしまいました。
水槽の中に、人の頭がまるっと入っていたのです。女の人の頭のようで長い髪がフィルターに挟まり大きな音を出していました。
「ぎゃあああああああ・・」僕は気絶して気がついたら朝になっていました。2枚貝の水槽を見ると、そこには人の頭はなく昨日と同じ状態でした。フィルターも正常に稼働しています。
怖くなった僕はその水槽を捨て、貝はペットショップに引き取ってもらいました。それから海で生体を取ってきて飼うことはなくなりました。