
「虫の知らせ」という言葉があるように昔から何かが起こる時に家族や友人に事前に”知らせ”がくることがあります。
事故っちゃった
Iさんの自宅に1本の電話がかかってきました。へらへらした男の声で、
「あ、俺、今さ事故っちゃった」
と行ってきます。オレオレ詐欺かと思い、Iさんはその場で電話を切ってしまったそうです。するとその直後、ふたたび電話がなりました。
またさっきの変なやつかな?そう思っていると息子の友人の母Hさんからの電話でした。
「落ち着いて聞いてね、お宅の息子さん、さっきバイクで事故に会って救急車で病院に運ばれたって・・・うちの息子から電話が会ったの!」
それを聞きIさん一家は病院へ急ぎました。そこには息子の友人も一緒にいて事情をを聞くと、バイクに2人乗りしている時に前方から車が飛び出してきて、それを避けようとして転倒して、脳しんとうで事故直後に意識を失ってしまったそうです。
幸いにも病院の先生からは命には別状ないと言われました。安堵したIさんはさっきのおかしな電話のことを思い出しました。
息子の友人に聞くと、そんな電話はしていないといいます。そして、よくよく考えると、へらへらした男は息子の声だった気がしたそうです。事故の直後に意識を失った息子が電話できるはずがないのですが。
誰も見えないみたい
Fさんが高校生時代に体験した怖い話です。
ある晩、Fさんは夢をみました。それは親友のAさんが慌ててこちらへ来て訴えかける夢でした。
「聞いてくれよ!家に帰ったんだけど、父ちゃんも母ちゃんも妹も・・・誰も俺のことが見えないみたいなんだ!!話しかけてもなにも言ってくれないんだ。どうしちまったんだろう!」
そこで夢は終わります。朝起きると母から言われました「Aくん、昨日亡くなったらしいよ。海で溺れたんだってさ」
Fさんはショックのあまり呆然としてしまいました。そして、Aさんのお母さんから驚くべき話を聞くのでした。
「昨日、Aが亡くなった連絡を受ける前にね、誰かが家の玄関を開けたの。Aが帰ってくるにしては早いなと思ったんだけどね。それはAのお父さんも、妹も聞いてるから聞き間違いじゃないの。そしてね。バタバタバタっと階段を上がる音がして追いかけて2階の部屋に行くと閉めていたはずの窓が開いていて、床がびちょびちょだったの。・・・きっとAが最後の別れに来てくれたのね。」
Aさんが別れを告げに来たのはFさんだけではなかったようです。