
仏壇の女の子
Y子さんがまだ幼いころに体験した怖い話です。
その日、Y子さんはひとりでお留守番をしていました。家のなかには誰もいません。
なんとはなしにY子さんは仏壇のある部屋へ行きました。そしてなぜかはわかりませんが、仏壇の扉を開けました。
すると中から女の子が現れたそうです。もちろん家族や親戚、近所の子ではなくはじめてみたこどもでした。
その子の見た目はおかっぱ頭に着物のようなものを着ていたといいます。
そして、「一緒にあそぼ」とY子さんに言いました。
Y子さんは怖いという感覚はなく、「いいよ」と軽く答えました。すると女の子はY子さんを仏壇の中へすごい力で引っ張り込もうとしました。
「この中であそぼ」
Y子さんが恐怖のあまり悲鳴を上げた瞬間、母が買い物から帰ってきて玄関のドアがあきました。「どうしたの?」母が駆けつけましたが、その時女の子はすでにいなくなっていたそうです。
それ以降は一度もあの女の子は現れなかったと言います。
住人
Mさんには年上の姉がいましたが、家ではいつも姉と一緒でした。お風呂に入る時も寝る時もご飯を食べる時も。常に姉と一緒なのです。
その理由はMさんは家にひとりでいることが怖かったからでした。Mさんは家の中で家族ではない和服姿の男女を見ることがしばしばありました。その姿は姉にも見えていたようです。しかしMさん姉妹以外の家族には見えません。昼間、家の廊下に突然その男女があらわれ階段をすーーっと滑るように上がって壁をすりぬけていく、そんなことがありました。とても怖くてひとりで家にはいれません。
ある日、姉がいいました。「怖くていえなかったんだけど、うちには女の子もいるよね」
「えっ、ほんとに?」Mさんはその女の子を見たことがありませんでしたが、姉は言います。「うん、私より少し年下くらいの女の子がいる。」
そんな話しをしているとだんだん怖くなってきて、姉とMさんは祖母の部屋まで走って逃げました。年上の姉にMさんはとても追いつけましセんでしたが、Mさんのうしろからはパタパタっと裸足で走る音がして「待ってよ、待ってよ」とMさんを追いかけてきます。
それからMさんも女の子を目撃するようになってしまいました。おかっぱ頭の女の子でときどきふすまの隙間から部屋の中を覗いているそうです。
赤ちゃんの声
Mさんの怖い話はこれだけでは終わりません。
小学生になったMさんは友達を自宅に招いて勝手に姉の部屋を使っていたことがあったそうです。
すると、トントントントンとすごい勢いで階段を昇る音がしました。Mさんは姉が帰ってきたんだと思って「ごめん、部屋を友達と使ってる!」と怒られる前に謝ろうとしましたが、ドアを開けるとそこには誰もいませんでした。
それから友達にお化け屋敷と呼ばれるようになってしまったそうですが、その他にも誰もいない和室でズルズルと体を引きずる音がしたり誰もいない台所で水がかってに流れたりと不可思議な現象は数多く起こったと言います。
Mさんが中学生になったころ、親が家庭教師をつけてくれました。それは勉強を教えるというより家に大人をひとりおいて娘達を守ってもらうという意味合いが強かったようです。
ある日、家庭教師の先生の時計が4:44で止まっていました。「あれ?おかしいな」とMさんの部屋の時計をみると同じ時刻で止まっています。今の時計を見に行くとその時計も怖いことに同じ時刻で止まってしまっています。
仕方なく、時報を聞こうと電話をしたら「ピ・ピ・ピ・・・おぎゃーーーーーー!!!」とありえないくらい大きな音で赤ちゃんの声が聞こえたということもあったそうです。