
埼玉県の秩父にある定峰峠。この場所は心霊スポットとして有名で怖い話や都市伝説がたくさん存在する場所です。走り屋が多くいることでも有名ですが、険しい道が続くため滑落して命を落とすドライバーも少なくないそうです。
今日は定峰峠で私の友人が経験した怖い話をご紹介しましょう。
友人はまだ学生でした。車の免許を取り立てで定峰峠へ仲間とドライブへ行くことにしたのです。
峠というだけあり非常に険しい山道が続く上、灯りなんてほぼありません。自動車のライトを消してしまえばそこは漆黒の闇にたちまち包まれてしまいます。
そして、定峰峠の特徴のひとつが、車道のすぐ横が急斜面になっているということです。一応ガードレールがありますが、勢い余ってガードレールを突き破ってしまえばそこから一気に数百メートルしたまで滑落してしまいます。
しかし、車道を走っているとそんな急斜面があるとは思えません。なぜかというと車道のすぐ横に背の高い杉の木が何本も立っているからです。木が沢山あるので、ガードレールの向こう側には地面があり森が広がっていると思えてしまいます。でも実際はまったく違うんです。
話はドライブ中の車内に戻ります。
他愛のない話で盛り上がっていた車内ですが、突然、ひとりが「わっ」と声をあげました。そして青白い顔になって何も話さなくなってしまいました。あまりのことにその場は引き返し、下の街のファミレスに入りました。
青白い顔になっていた男の子が落ち着いた所で事情を聞きました。すると、彼は見てしまったというのです。
杉の木にしがみつく白装束の女の姿を。
少なくとも数十メートルはある杉の木です。女性が登っていける高さではありません。しかも時間は深夜1時です。定峰峠には得体の知れないモノがいる。地元では有名な怖い話になりました。