
電話にまつわる怖い話は結構たくさん存在します。そもそも電話というモノが本来はありえない遠く離れた人との会話を実現する不自然なものなので、時に時空を歪めてしまうのかも、しれません。
これはある英会話教師が体験した怖い話です。
仮にAさんとしましょう。彼は自宅で英会話教室を開いていました。その教室は結構繁盛していてたそうです。そして、語学を学びに来る人は女性が多いです。
Aさんはすでに奥さんもこどももいましたが、ある女子大生の生徒さんと恋仲になってしまったそうです。女子大生もAさんが妻子持ちだと承知の上で付き合っていましたが、いつのまにか本気の恋愛になってしまい、奥さんと別れて自分と一緒になってほしいともちかけてきました。
さすがにそれは行き過ぎです。Aさんは女子大生と別れることを決意しました。その子も英会話教室をやめしばらく疎遠になっていましたが、ある日、女子大生のケータイから電話がかかってきました。
何か悩みでもあるのか?一方的に自分の事情で振ってしまったAさんは少しだけ罪悪感があり、電話に出ました。しかし、無言電話です。
次の日も同じ時間に彼女から電話がかかってきます。やはり無言です。それから毎日彼女から電話がかかってくるようになりました。
Aさんは嫌がらせをさせていると思って、ある日の電話に「もう止めてくれ!俺達は別れたんだ!」と言いました。すると、
「あ、すみません。警察ですが。Aさんですか?」
となぜか彼女のケータイから警察の人が電話してきているではありませんか。Aさんはわけもわからないまま警察へ行きました。そしてすべてを知ることになるのです。
彼女は自殺していました。人があまり入らない森の中で首吊り自殺をしてしまったのです。警察は彼女のケータイからAさんのケータイへ発信があったのでなにか事情を知っていると思い、電話したといいます。
「実は、少し前に別れまして・・・もしかしたらそのことが原因かもしれません・・・ここ数日も毎日彼女から電話がありました。」Aさんは正直に話しました。
すると警察官、「ああ、それなんですがね。確かに彼女のケータイからあなたにこの数日電話があったと思うんですが・・・・司法解剖の結果、彼女が自殺したのは1週間以上前なんです」