怖い話

【怖い話】深夜のカラオケ屋

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これは私自身が体験した怖い話です。

大学生だった私は地元のカラオケ屋でアルバイトをしていました。片田舎の国道沿いにあるカラオケ屋で、ここ10年くらいで一気に店舗数を広げたチェーン店です。

そのカラオケ店はもともとモーテルのような施設だったのですが、いつのまにか廃業していて今の店になりました。店のカウンターから部屋まで行くにに一回外にでる珍しい作りの店でした。

「なんか、この店って変な感じしない?」霊感があるという同僚が僕にそう言いました。僕は全く霊感がないので「へえ」としか返答できませんでした。正直そんなものはいないと、その時までは思っていました。

深夜5時まで営業する店で大学生だった僕は深夜のシフトにも入っていました。お客さんがいるときはきっちり5時まで営業して、そこから清掃なんかをはじめて6時位に閉店するのですが、お客さんが早く帰ってしまうこともあります。そういう時は早めに清掃作業なんかを片付けてしまうのです。

その日は深夜3時くらいにはお客さんがみな帰ってしまいました。こうなるとずっとヒマです。「そうじ、しちゃおっか!」一緒に入っていた同僚と店内清掃をはじめました。

僕はカウンターと厨房、同僚は部屋の掃除に行っていました。すると、突然、コールのランプがつきました。部屋から呼び出しがあったことを意味します。僕は同僚がふざけているのだと思いました。「あいつ!何ふざけてんだよ。笑」と言うと、直ぐそばで「何が?」という声がしてコールが止みました。同僚は実はまだカウンターで清掃用のバケツに水を組んでいました。

でも確かにコールは鳴って、そして切れたのです。誰もいない客室でこんなことは起こりえません。仮に電話の受話器が何かの弾みで外れて落ちたとしても人が受話器を戻さない限りコールは鳴り止まないからです。

誰かいるのか?

同僚と2人でその部屋に行きましたが、もちろん誰もいません。僕たちは青ざめました。そそくさと清掃を済ませると自宅に帰りました。

後日、店長にその話をすると、「ああー、ついに出ちゃったかー。」と笑っていました。実はそのカラオケ屋が入っている物件はいわくつきで安く会社が購入したものでした。殺人事件があってモーテルが営業できなくなったところをタダ同然の価格で買い取ったのです。

その殺人事件があったのが、あの日のよるコールがあった部屋でした。僕はそのあと少ししてそのアルバイトを辞めましたが、まだ今でもその店舗はカラオケ店として経営されています。