怖い話

【怖い話】ラーメン

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システムエンジニアをしていたMさんが体験した怖い話です。

システムエンジニアというのは時に過酷な仕事で三日三晩家に帰らないなんてこともあるそうです。そんな繁忙期にMさんはぼーっとバイクを運転していて事故を起こしてしまいました。気がついたらMさんの体は宙を舞っていて、気がついたら病院のベッドの上でした。

命に別状はなかったのですが、右手と左足を骨折してしまい自力では病室から出られないありさまでした。体は怪我だらけでしたが、日頃の業務のストレスから開放されぐっすり眠れたことで気分は良くお腹はすいたそうです。

しかし、病院の食事は味気ないもので食べてもすぐにお腹が空いてしましました。すると深夜にチャルメラの音がしました。ラーメン屋さんが外を通りかかったのです。Mさんは「すみません!ラーメンひとつ!」とこっそり注文してしまいました。「あいよ!」外からラーメンの器を病室にさしだしてくれました。

Mさんはそれを体をよじらせなんとか取って、1000円を渡しました。「毎度!」また外から手がにゅっと出てきておつりを渡しました。

翌朝、診察にきた医師がベッドのしたからラーメンの器を見つけてしまいます。「これはなんですか?」Mさんは怒られる!と思いながらも正直に答えました。しかし、医師はいぶかしげな顔をしています。「あなたはここが何階か知ってますか?」、「えっ?」

病院に搬送された時には意識を失っていたMさんでしたが、実は病室のあるこの階は3階なのでした。とても外からラーメンを差し入れられる高さではありません。「今日、ラーメン屋さんがきたら看護師に教えてください」。

その夜、昨日と同じようにチャルメラの音がしました。Mさんは看護師さんを呼びました。看護師さんが外に出てラーメン屋さんに器を返すと確かにその器はラーメン屋さんのモノで昨日1階の患者にラーメンを売ったというのです。

食い違う2人の意見、その瞬間だけ時空が歪んだとでもいうのでしょうか。謎が深まる怖い話でした。