
タレントの伊集院光さんが語った怖い話です。
よくテレビの心霊番組とかで再現VTRというやつが流れます。
そういう時のために「ハウススタジオ」と呼ばれる場所が撮影用に使われます。普通の一軒家なのですが、テレビのVTR撮影や映画で使われるためだけの家なんです。しかも、その中のある物件は心実際に幽霊がいるという噂で普通の家では比較にならないほど怖い映像になると業界では有名です。
その日、心霊番組のクルーたちはハウススタジオへと再現VTRを撮影に行っていました。もちろん向かった先のハウススタジオは例のいわくつきの物件でした。
住宅街の中にある1件の家なんですが、庭から木がはみ出したりしていて周りの家とあきらかに雰囲気が違います。家の門を越えると離れが1軒あってそこから若い男と女が出てきました。家の管理人らしいですが、それがよくしゃべる男でした。
「いや〜!どうもどうも!この物件ね、幽霊本当に出ちゃうから気をつけてね!」なんて、いきなり馴れ馴れしく話してペラペラ自分のペースで話します。対象的に女の人は何も話さないで、どちらかといえば根暗な雰囲気がしたそうです。
(ああ、うまくバランスの取れたカップルということね)
撮影はスムーズに進みました。しかし、途中で邪魔が入りました。管理人の男が「ここはこうした方がもっと良い」とか「ここのセリフはこうした方が怖いよ」とか余計なことを言って入ってきたのだった。それでも日が暮れるまでに撮影は終わった。
管理人の男は邪魔しかしてなかったのに「みんな!おつかれ!」とか言って上機嫌だ。そして「がんばったみんなに特別にこの家の秘密を教えてあげましょう!」と話しだした。
「怖いからちびるなよ?この家は朝も言ったように本当に幽霊がいるの。で、何人かの心霊能力者がこの家を霊視しにきたことがあったんだけど、テレビに出てる霊能力者ってみんな嘘つきな!あいつら幽霊なんて見えてねえ。おじいさんの幽霊がいるとか、こどもの霊が・・・とかっていうんだけど、違うの!この家に取り憑いている霊は”女の幽霊”なの!俺は10年近くここに一人で住んでるけど、何回も見たんだぜ!」
と、誰も聞いてない話をペラペラと話しだしました。本当に話の好きな管理人だなあ、と呆れかけたとき僕は気がついてしまいました。
「この家に取り憑いている霊は”女の幽霊”なの!俺は10年近くここに一人で住んでるけど、何回も見たんだぜ!」
一人で住んでた・・・?じゃあ、朝にみた女の人は・・・一体?