
人間の平均寿命は年々伸び続けている。日本でも高齢者の人口は増えていて、100歳以上の高齢者の数は約6万人いる。しかし、これはあくまで平均寿命が延びているというだけであり、実は人間の寿命最高齢は20年前に122歳の記録が出てから変わっていない。この年齢が人間の寿命の限界だという。
これまでで最高齢だったのはジャンヌ・カルマンさんという女性で122歳と164日を生きた。彼女が亡くなったのは1997年でそれ以降、彼女の記録を破る高齢者は現れていない。
科学者の見解では1997年当時、すぐにカルマンさんの記録を打ち破る高齢者が出てくるだろうと予測されていたのだが、一向に現れないまま20年の歳月が経ってしまった。アルベルト・アインシュタイン医学校の分子遺伝学者Jan Vijgさんと彼のチームによる新しい研究では人間の寿命は上限がつけられており、それを超えることは決してないという。
研究者の間では、「生まれながらに老化の過程がDNAにプログラムされている説」が有力視されている。人間の最高寿命はDNAに限界値が設定されていて、どんなに健康的な肉体を持っていたとしても、時限装置のようにその年齢に到達すると命をシャットダウンしてしまうのである。
ゆえに、これから先、医学の進歩により平均的な寿命は延びて行く可能性があるが、最高齢の記録はけっして破られないんだそうだ。