
首都高にまつわる都市伝説。その夜、Nさんは仲間と首都高へ深夜のドライブに出かけていた。
車が少ない深夜、首都高を走るのは気持ちがいい。しかし、その夜はうしろに1台車がピッタリくっついてきていたそうで、なんとも走りづらい。
やがて、うしろの車はしつこくパッシングをしてくるようになった。追い越せるようにNさんは速度を緩めたが、うしろの車も一緒に速度を緩め、まったく抜かしてこない。
それどころか、やがてクラクションを鳴らしてくる始末。「やからだな・・・」Nさんは不良か何かの車だと思った。こんな状態が続くと楽しく走っていられないので、Nさんたちは高速を降りて、自宅へ戻った。
車庫に車を停車させて、車から出た時にNさんは危うく叫びそうになった。そこには首都高でずっとうしろを付け回してきた車が停車しているのだ。そしてガチャ。中から男が現れた。
男は尋常ではない表情をしていてNさんにむかって「大丈夫ですか?」という。
何のことかわからないでいると、「あなたの車の屋根に着物姿の老婆がしがみついてフロントガラスを覗き込んでいたんです!」という。
うしろの車はNさんの車に得体のしれないものが着いていることを知らせようとパッシングやクラクションを鳴らしていたのだった。