
「だるま女」の都市伝説をご存知だろうか。ある夫婦が中国へ旅行した時から話ははじまる。
妻のほうが服を見たいと言い出し、夫婦は商店街に入っていった。いかにもローカルの商店街という感じの場所で自分たち以外に外国人はいなさそうだ。
妻が1軒のブティックを見つけ何点か商品を試着はじめた。夫は外で待っていたが、なかなか出てこない妻にしびれを切らして店内に戻ると、
「もう帰るよー。」と声をかけた。しかしそこに妻の姿はなく、店主のおじさんだけ。
自分の妻はどこへ行った?と聞くがおじさんは「知らない」と言うだけ、不審に思ったが店を隅々まで探しても妻は本当にいない。
スレ違いで出ていったのかも。そう思った夫は商店街中を探したが、どこにも妻の姿はない。
ことの重大さに気がついた夫は地元の中国警察へ届けを出して、旅程を一週間延長したが、結局、妻は見つからなかった。
仕事もあり、日本に戻らざるを得なくなった夫はひとり帰国。数ヶ月ほど経ったがその間も中国の警察や妻から連絡は一切なし。
「自分で探そう」。夫は長期休暇を会社に申請してもう一度あの場所に戻って妻を探した。数日間探しても見つからなかったある日、へとへとになって路地裏の酒屋で一杯やろうと思った時にやけに人だかりがある1軒の店が目に入った。
看板には「日本達磨」と書かれている。
なんだろう?と思い、中を見た瞬間、夫は吐きそうになって店を出た。そこは見世物小屋で小屋の億には手足が切断された女性が服も着ないで声にならない声で泣いているのである。(それは舌を切られて言葉が話せないからだったが・・・)
しかし、夫が吐きそうになった理由はそれだけではなかった。そこにいた「だるま女」は数カ月前、ブティックで消えた自分の妻だったのである。