都市伝説

運動会のゴール写真

運動会都市伝説


運動会にまつわる都市伝説をご紹介。


ある学校に病弱な子がいた。その子は入退院を繰り返しており、学校にはほとんど来ることができなかった。


外で元気に遊ぶ同じくらいの年齢の子供を見て、「いいなあ。あんな風に遊びたいな」しかし、それは自分の体を考えれば難しいこと。


友人からはときどき花束や千羽鶴などが届けられ、「早く、良くなって学校へ来てね」と書かれたメッセージカードが付いている。


子供の純粋な気持ちは時に残酷になることがある。


秋の運動会シーズンになったころだろうか、病弱な子の体調が急変した。医師からはもしかしたらあと数ヶ月持つかわからない。


と両親に宣告があったそうだ。両親は我が子の最後になるかもしれない願いを何か叶えてやりたいという気持ちで聞いた。


「何か食べたいものや、したいことはある?どこでも連れて行ってあげるよ!」


病弱な子は答えた。


「運動会へいきたい」


両親は驚いたが、医師に相談したら、「行きたいなら、運動会へ行かせてやりなさいもしものことがあっても私もついていくから」


と言ってくれ、母親は号泣した。


そして、運動会当日、彼のクラスメートたちは病弱な子が運動会へきたことに驚いたが、みな喜んだ。


病弱な子は徒競走に参加した。もちろんまともに運動したことなどなかったから一番ビリ。


しかし、彼は諦めずに最後まで走った。


その様子を見ていた他の子や子どもたちの両親は彼がゴールテープを切る瞬間、大歓声で拍手を送った。


その様子に感動した病弱な子の父はその瞬間をカメラに収めた。


その数日後、病弱な子は息を引き取った。


両親は彼の遺影に使おうとゴールテープの写真を現像してみた。しかし、感動的であるはずのその写真は


想像とは全く違う仕上がりになった。


拍手をしている全員が同時に手を合わせていて、目をつむっているのだ。


お葬式みたいに、まだ生きている彼の冥福を祈るかのように。