友人から聞いたちょっぴり怖い都市伝説を紹介しよう。
友人の会社には本の執筆や講演会に出るようないわゆる「先生」がいた。
たしか、専門は経営コンサルとかでMBAとか難しい知識を教えられたそうだ。
その先生は日本全国オファーが入ったらどこでも講演会へ登壇していたそうだ、
だから会社は東京にあるんだけれど、月の大半は地方巡回に出ているみたいな
そんな人だったそうだよ。
ある日、四国のどこかの県だったか忘れてしまったけれど小さい公民館で
開かれるセミナーへ参加したらしい。その会場は寒かったこともあり、
用を足したくなってしまったそうだ。
「トイレはどこ?」
会場をよく知るスタッフにトイレの場所を聞くとさっと席を立ち
「ちょっとお手洗い行ってきます。」先生は会場をしれっと抜けていった。
廊下をまっすぐ行くと、すぐトイレがあった。古めかしい作りで昔の
小学校のトイレという感じの内装であったそうだ。
先生は用をたすと手を洗いに洗面台へ行った。自分が話す直前だったので、
身だしなみチェックも欠かせない。髪型が変じゃないか?スーツは乱れてないか?
よし、大丈夫だ!と思った瞬間、鏡のむこうの壁に誰かがいることに気がついた。
鏡のむこうなので、実際は先生の背後になるんだが、その場所に人がいる。
しかも用をたすわけでもなく、トイレの角に突っ立って上を見上げている。
「(変なやつだなあ・・・・ちょっと頭がおかしいのかも・・・)」
そう思った先生がトイレを出ると、スタッフがいた。彼もトイレに来たという。
「ちょっと、ちょっと。なんかトイレに変な人いるよー。」と先生が言うと
本当ですか?とスタッフは訝しげな様子を見せた。
「直接は見てないんだけどさ、洗面台の鏡に写ってたのこんなふうに天井見上げてる人」
先生が状況を説明するとスタッフは言った。
「うちのトイレには・・・鏡はありませんよ。」
友人から聞いたちょっと怖い都市伝説を紹介した。