血液型の性格診断は日本人であれば誰もが一度はやった事があるのでは無いだろうか。
自分の血液型に応じて、性格診断をするテストである。例えば、
A型は几帳面、神経質。
B型は我が強くて、自己主張をする。
AB型は天才肌で二枚舌。
O型はおおらかでマイペース。時々空気読めない。
と行った内容を実際の人物に当てはめるのである。
血液型とそれに対する性格パターンを当てはめるだけのシンプルなテストであるので、日本では未だに飲み会の席などで血液型性格診断をしだす人がいるほど根強い人気を誇っている。
しかし、世界的に見ると血液型で性格をしているのは日本人くらいである。
なぜなら、血液型で性格が決まるなどという科学的根拠はないからである。
なぜ、日本で血液型の性格診断が流行ったかというとマスメディアの影響が強いという。
誰でもできるシンプルな診断方法、迷信が好きな日本人に血液型の性格診断を紹介すると
視聴率が取れたし、出版書籍も売れに売れた。書籍の売上げが巨額だったため、出版社は
テレビ局へさらにブームを加速するようなコンテンツ作成を打診したのであった。それにより
血液型の性格診断は一気に全国に広がり、その後の心理テストに繋がるスピリチュアルなブーム
を作り出した。
科学的根拠がないのに当たる血液型の性格診断の謎
先も述べたように血液型診断には科学的根拠がない。にもかかわらず、血液型の性格診断が的を得ていると感じる事は無いだろうか。それはなぜか。
血液型性格診断が当たるなぞは「ラベリング」という人間心理が影響している可能性がある。
ラベリングとはシカゴ学派に属するハワード・ベッカーを初めとする研究グループによって提唱された理論である。
人間は他人から「レッテル」を張られたり、「役割」、「評価」を与えられる事でラベルを受け、その後の自分の行動をそのラベルにふさわしいように意識するというのがラベリング効果である。
例えば、チャラチャラしたギャルが子供を授かり、母親になった瞬間に髪の毛の色を落ち着かせ、言動が代わり大人になるという様な例では、周囲から「あなたはお母さんなんだから」というラベルが張られる事で無意識のうちに(もちろんこの場合は意識してもあるだろうが)母親としてあるべき姿になろうとするからなのである。
実は血液型の性格診断にはこのラベリング効果が原因となっている可能性がある。
日本全国で統一された血液型の性格診断が全国民に放送される。➡それを見た国民は自分の血液型と性格の関係性を知る➡ラベリング効果により血液型に応じた行動や言動をするようになる。
この一連の流れが起こり、日本で生活している人は血液型にそくした行動を取るようになった。
そして、その結果、血液型診断があたかも当たっているように感じるのである。
つまり、血液型の性格診断自体が原因となり、血液型別の性格を生んでしまったのである。ゆえに血液型の性格診断テストは一定の”当たり”が存在し、未だにネタになっているのである。