
近い将来、中国経済を震撼させるのではないかという都市伝説をご存知だろうか。その引き金となるといわれているのが影の銀行(シャドーバンキング)である。
影の銀行とは当局から免許などの適正な許可を得ていない投資銀行やヘッジファウンドが融資を行なう事をさす。管理体制化に置かれていないため、リスクの高い投資でも行なう。通常の銀行融資の審査をパスできない企業が活用する事が多い。当然、リスクが高い融資である為、影の銀行の債務が焦げ付く事も充分にあり得る。
2009年に起こった米国のサブプライムローン問題に端を発するリーマンショックと呼ばれる経済危機の原因の一つには影の銀行による融資の焦げ付きとも言われているのである。
今、影の銀行が注目されているのは経済成長を続けてきた中国で影の銀行の抱える債務が非常に大きくなっている事。またそれを返済する能力がない融資先がある事である。簡潔にいうと影の銀行の融資したお金が焦げ付いて、影の銀行が融資した莫大なお金が回らなくなり、結果として影の銀行がデフォルト(債務不履行状態)になるのではないかという事である。
2014年1月末には30億元(日本円換算で百数十億円)規模の理財商品がデフォルトしかけたというニュースもあった。
もしも、影の銀行がデフォルトするとリーマンショック以上の経済危機が起こり、中国経済全体を揺るがす危険性があるという。一説によれば影の銀行がデフォルトしかけても中国当局による救済措置が取られるので(実際に1月末の30億元のデフォルト回避は正体不明の投資家によって救済されたとされており、この投資家は中国当局ではないかとされている。)大丈夫という経済評論家もいるが、デフォルトの高リスクが残っている事は事実であり、かつ実際に救済にも限界がある。そのため、中国にある影の銀行はいつデフォルトしても不思議ではないのである。
もし影の銀行がデフォルトした場合、デフォルトによって、影の銀行に投資していた投資家は大損害を負う事になる。中国バブルの崩壊では無いかとささやかれている経済の都市伝説であった。