定番の都市伝説に「口裂け女」という話がある。深夜に子供が道路を歩いていると突然マスクを付けた女が現れ、「私、きれい?」と質問してくる。「きれいだよ」と答えた子供はマスクを外し口がほほまで裂けた女の顔に恐怖した後、連れ去られ、「不細工」と答えた子はその場で殺される。
口裂け女に会ったら、逃れられる方法は2つ。
・ポマードと連呼してその場から逃げる
・べっこう飴を上げる
こうすると口裂け女はその場から去って行くのだそうだ。
口裂け女の都市伝説は今となっては定番なのだが、当時は大騒ぎで塾帰りの子供を集団下校させるなどの取り組みが始まったりして社会現象になった。
では、なぜ口裂け女の話はここまで日本全国に広がってしまったのか。
原因は塾
実は噂が生まれた70年代は学習塾が生まれた時期でもあった。
中部地方のある家庭の子供が学習塾へ通いたいといったのだが、その家庭には経済的な余裕がなく、子供になんとか塾をあきらめてもらいたかった。そこでお母さんが付いた嘘。
それが「夜の道には口裂け女が出る」という話だったのだそうだ。
この話を子供が学校で話して、学校中に広まった。よくある話で学校のうわさとして語られるようになったのである。しかし、普通は学校にとどまる話だが、このときは違った。
学習塾が隆盛していたので、子供たちは学習塾で学校の垣根を超えてこの話を噂しだしたのであった。
そして、中部地方には転勤族が多くいた、なので、この話を聞いた子が他の地方へ親と一緒に移り住み、また学校でこの話を広め。。。という展開で日本全国へ広まって行ったのだと言う。
CIA関与説
アメリカのCIAが口裂け女事件に関与しているという話もある。CIAは日本の噂の伝播力の高さに興味があって、全国に噂が広まるスピードを調査したかったという。
そこで考案した方法が「口裂け女」。この話を一部の小学生に聞かせ、実際に口裂け女の演技をする職員と一緒に噂を一部の地方で盛り上がらせた。それは北海道のある地域だった。
この噂が沖縄まで届くのにどれだけ時間がかかるかを調べようとしたら、日本国政府も動くほどの大事件となってしまったそう。いまではソーシャルネットワークが介在して噂の伝播などは一瞬だが当時はそうではなかったのだ。興味が湧いてしまったCIAもばつが悪かったに違いない。